2017年

12月

13日

「よろしく」の語源

 1日に複数回使っていると思われる「よろしく」。その語源をご存知ですか。

 

 「よろしく」ほど、日常生活やビジネスシーンで多く使われ、便利なことばはないでしょう。もともと「よろしく」は古語「よろし」から来ています。この「よろし」の連用形が「よろしく」となるのです。「よろし」は「悪くない」という意味で、言ってみれば「よろしくお願いします」という表現は「悪くないちょうどいい塩梅(具合)で、お願いします」と頼み込んでいるのです。

 

 このように、普段何気なく使っている定型表現の由来を知るのも乙なものです。

2017年

12月

02日

「これでいい」と「これがいい」

 例えば、友人や恋人にプレゼントを買ってあげると伝えた際、
ある商品を指し「これでいい」と言われた場合、どう感じるでしょうか。

 

 「これでいい」と言われると、なんだか妥協している感じやぞんざいな印象を受けます。上の「これで」は範囲を表し、事が足りる及第点を述べているからです。

 

 一方で、「これがいい」と言われた場合では、相手が本当に望んでいるということが伝わります。上の「これが」は対象を表し、ほかの物でなくこれだ、ということが伝わります(これを「総記」と言います)。

 

 上記は、微妙な違いでも相手に与える印象がまったく異なるよい例だと言えるでしょう。

2017年

11月

26日

香りと匂いと臭い

 普段「香り」「匂い」「臭い」という単語を使い分けていますか。

 

 例えば、高級レストランに行き、目の前に料理が出されたときに何と発するでしょうか。「わぁ、いい匂い」でもよいかもしれませんが、「わぁ、いい香り」と述べたほうが気品のある感じがします。

 

 「におい」には「匂い」と「臭い」と2つの表記があります。「匂い」は、「花の匂い」「洗濯したばかりの服の匂い」のように、好ましいものに対して使われますが、一方で「臭い」は「たばこの嫌な臭い」「腐った臭いがする」などのように、不快なものに対して使われます。そのため、口頭で「匂い」と言っても、「臭い」との区別がつきにくくなります。先の場面では「香り」を使った方が、好ましいということが明確に伝えられるのです。

 

 同様に考えてみると、「たばこの嫌な香り」という表現はほとんど使われません。マイナスの感情があるときには「香り」は使われないのです。

 

 このように、日常のちょっとした語彙にも注意することで、相手に洗練された印象を与えることができます。

2017年

11月

07日

今後気を付けていきたいと思います。

 ミスをして「今後気を付けていきたいと思います」と言った場合、受け手にどのような印象を与えるでしょうか。

 

 「今後気を付けていきたいと思います」は他人事で、少し無責任なようにも聞こえてしまいます。この場合「今後気を付けます」の方が、留意するという意思がきちんと伝わります。

 

 本来「~たいと思います」や「~しようと思います」は、自身の予定行動を伝えることに使用します。しかし、予定行動でもないのに、これらを多用しすぎるとくどい印象を与えてしまいます。

 

 例えば、プレゼンテーション前の「それでは始めたいと思います」は、誰が何と言おうと開始することは決まっているので、「それでは始めます」でよいのです。

 

 人前で話す際、断定することには勇気がいるかもしれませんが、言い切れる部分は「~ます」を使っていった方が、歯切れのよい文になります。

2017年

11月

01日

「ただいま」と「お帰りなさい」の語源

 帰宅時に使う定型表現「ただいま」と「お帰りなさい」の語源は何でしょうか。

 

 「ただいま」は「ただ今、戻りました」が省略された表現です。

 「お帰りなさい」は元々「ようこそお帰りなさいました」が転じて出来たものです。「〜なさい」の形になっていますが、決して何か命令をしているわけではないのです。

 

 そう考えると、日本語の定型表現には「こんにちは」や「さようなら」などにように短くなって出来たものがいくつもあることに気付かされます。

2017年

10月

17日

「本当ですか」という相づち

 「本当ですか」という相づちをよく耳にします。しかし、使用には注意が必要です。

 

 特に上司や先輩など目上の対しては使わない方がよいでしょう。というのは、「本当ですか」という相づちは、聞き手によっては嘘をついていると疑われているような印象を受けるためであり、不愉快に思う人もいるからです。

 

 そのため、目上の人に対する相づちとしては「そうですか」「ええ」などが無難だと言えるでしょう。

2017年

10月

04日

「なるほどですね」という相づち

 ビジネスシーンで「なるほどですね」という相づちを時折、耳にします。あなたはこの表現に違和感を持ちますか。

 

 「なるほど」の品詞は副詞あるいは感動詞です。

 副詞とは、状態や属性、動作などの程度・様態を述べることばです。例えば「よく考えてみると、なるほどそれは正しいですね」などのように使われます。そのため、何も修飾せずに「なるほどですね」と言うと、文としての座りが悪くなります。

 

 感動詞の場合も同様です。感動詞とは、感動や呼びかけ、応答などを表すことばです。「もしもし」や「おや」なども感動詞で、「もしもしですね」「おやですね」などは不自然です。

 

 そのため、丁寧に相づちをしようとし「なるほどですね」と言った場合、聞き手が違和感を覚える可能性が高いです。加えて「なるほど」は親しい人や目下の人に対して使うことが多いので、「なるほどですね」と相づちを打たれると、尊大に感じる聞き手もいることでしょう。それゆえ「なるほど」の使用自体に注意する必要があります。

 

 ではどう言えばよいのか。この場合、「左様ですか」「そうですね」「ええ」などが無難でしょう。

2017年

9月

26日

「知っていますよ」(メールにて)

 メールにて「知っています」のように終助詞「よ」を使うときは注意が必要です。

 

 というのは、メールはお互いの顔が見えない記述式のコミュニケーション手段であるため、相手によっては失礼に聞こえてしまう場合があるからです。

 

 例えば、初対面の人にメールで何かを尋ね、受け取った返信が「知っています」だと、「知っています」よりすこしぞんざいな印象を受ける可能性があります。なぜなら終助詞「よ」は、相手が知らないと考え、注意喚起して伝えるという働きがあるからです。すなわち、受け手によっては「そのぐらい私だって知っています」という意味合いで受け取られてしまう可能性があるのです。

 

 したがって終助詞1つを使うにしても、注意が必要なのです。

2017年

9月

10日

「お名前、いただけますか」

 電話の応対中、相手の名前を聞きたいときに「お名前、いただけますか」と言う人がいます。

 

 しかし、これは敬語を使わずに言い換えると「名前、もらえますか」となります。相手の名前を自分のものにしようとしているのは、なんだか奇妙に聞こえます。

 

 ですから、このような場面では「お名前をお教えくださいますか」「お名前を教えていただけますか」あるいは「お名前は」などと言ったほうが違和感を与えずに名前を聞き出すことができるでしょう。

2017年

7月

30日

「ほぼほぼ」という言い方

 昨今、「だいたい」ということを意味する「ほぼ」を2度繰り返す言い方を耳にするようになりました。

 

 日本語には、2度繰り返す「畳語(じょうご)」と呼ばれることばが多く存在します。「たまたま」「おいおい」「いろいろ」「ますます」などです。

 

 「ほぼ」ということばは、従来2度は繰り返さなかったのですが、最近では「ほぼほぼ、準備はできています」などのように2度繰り返すパターンが出てきました。

 

 この「ほぼほぼ」という表現、違和感を持つ人もいるので、使用する場面は慎重に選んだほうがよいでしょう。

2017年

7月

25日

3点リーダーの正しい使い方

 3点リーダー()の正しい使い方をご存知ですか。

 

 沈黙や余韻などを表す際に使う3点リーダー。例えば「明日、晴れればいいんだけど」という文があった場合「だけど」の後に何を書きますか。

 

 私がこれまで目にしたことがあるのは「だけど、、、」や「だけど。。。」など句読点を使うパターンです。しかし、句読点にはそのような機能はないので、本来の使い方からは逸脱しています。

 

 本当は「だけど」と3点リーダーを2つ使うのが正しい使い方なのです。つまり点は6つにするのが、正しい使い方なのです。

 

 このように、普段何気なく使っている記号にもルールがあるのです。

2017年

7月

19日

「存」の読み方

 「依存」「既存」「共存」……これらはいずれも「存」を使った単語ですが、どう読みますか。

 

 正しくは「いそん」「きそん」「きょうそん」です。このように「存」は基本的には「ソン」と読む場合が多いです。それでは「ゾン」と読まれるのはいつかと言うと「異存」「存ずる」「ご存知」などのように心理的な「考え」や「思い」などについて述べる場合です。

 

 物理的にあったり、いたりして存在することを述べる場合は、基本的に「ソン」と読む、と覚えておくとよいでしょう。

2017年

7月

11日

「いたします」「致します」の使い分け

 普段メールなどで「いたします」「致します」をどう使い分けているでしょうか。

 

 「いたします」は動詞の補助的に使う場合に用いられます。例えば「確認いたします」「参考にいたします」などです。これらは「確認する」「参考にする」などの動詞を謙譲語化するために「いたします」が用いられています。

 

 一方で「致します」は「不徳の致す限り」「思いを致す」などそのまま動詞として使う場合に漢字になります。

 

 前回の「お食べください」のように、補助的に使われる場合はひらがな表記になります。

2017年

7月

04日

「ください」「下さい」の使い分け

 普段メールなどで「ください」「下さい」をどう使い分けているでしょうか。

 

 実はこの2つ、簡単な使い分けのルールがあるのです。それは、動作や行為などを依頼したり指示したりする際は「ください」、実際に何かものを受け取りたいときは「下さい」を使います。以下に例文を記します。

 

①温かいうちにお食べください

②よく話を聞いてください

③ティッシュを下さい

④ケーキを2つ下さい

 

 ①・②は動作・行為で、③・④は実際のものです。このように、母語話者でもなかなか知らない使い分けの規則はいろいろな表現・語彙に存在します。

2017年

6月

28日

頭が下がります

 相手の動作や行為に対して感心する際に「頭が下がる」という言い方をしますが、これは、使う場合には注意が必要な表現です。

 

 というのは、「頭が下がる」は、相手を評価している表現であるためです。特に上司などの目上の人間や、社外の人間に対して使うと、その対象に上から物を言っているように聞こえる可能性があります。他にも、「普段は頭が下がらない動作・行為をしている」というように裏の意味合いが出てしまう場合もあるようです。

 

 それでは、どういえばよいのか。「敬服します」「感服します」などがよいでしょう。「敬服」は「尊敬語」の「敬」の字が含まれているため、評価しているニュアンスが控えられます。また「感服します」は、自身の心理状況を表しているため、こちらも評価の意味合いを控えることができます。

 

 表現1つ取ってみても、工夫が必要なことがわかります。

2017年

6月

22日

日本語学習者のことを「カワイイ」と形容することについて

 習った日本語を使い、成人の学習者が一生懸命に話している姿に対し、「カワイイ」と日本語母語話者が発言している場面を複数回見たことがあります。

 

 私はこの「カワイイ」という発言には違和感を禁じえません。というのは「かわいい」という形容詞は、何か愛くるしいもの、例えば幼児やペット、あるいは何かのキャラクターなどを形容する際に使うことばだからです。つまり、このことばを日本語学習者に対して使うということは、彼らを潜在的に子ども扱いしていることにもなります。

 

 反対の立場で考えてみましょう。自身が習った外国語を使い、一生懸命に話しているのを母語話者が陰で「カワイイ」と形容していたとしたら、私はあまりよい気はしません。このような場面で快く思う人はあまり多くいないでしょう。

 

 非母語話者の方々と交流する際は、お互いに1人の人間として接する必要があります。そのため、発言1つ取ってみても、受け手は「どう思うのか」「どう感じるか」ということへの配慮が非常に大切となってきます。

2017年

6月

15日

御の読み方の「お~」と「ご~」

 事物を丁寧に言うときは「御」を使った「お~」「ご~」があります。どのように使い分けているのでしょうか。

 

 原則的には「お~」は和語、つまり日本固有の言葉に対して使われます。例えば「お気持ち」や「お祭り」などです。また日常的なことばに対しても使われます。例えば「お電話」「お食事」などです。

 

 一方「ご~」は原則としては漢語で使われます。例えば「ご連絡」「ご案内」「ご紹介」などです。

 

 ただし「お返事」「ご返事」などのように、両方使えるものもあります。そして「メール」には「お」「ご」がつきません。外来語ではこれらがつかない場合が多いです。(嶋)

2017年

6月

10日

見る→拝見する、見せる→?

 「見る」の特別な形の謙譲語は「拝見する」です。では「見せる」の特別な形の謙譲語は何でしょうか。

 

 大体の場合「お見せする」までは思いついたと思いますが、こちらは「お~する」の形で、特別な形ではありません。

 

 答えは「お目にかける」です。

 「お目にかかる」は「会う」の謙譲語ですが、「お目にかける」はなかなか出てこなかったのではないでしょうか。他にも「ご覧に入れる」も正解です。

 

 幼児の際に敬語を完全に身につけるのは困難なため、意識的に学んでいく必要があります。この問題もきちんと知識として知っているかを問うクイズでした。

2017年

6月

07日

「放題」ということば

 観光客や留学生などの外国人にとって「Hodai(放題)」というのはなかなか面白いことばだそうです。さてなぜでしょうか。

 

 答えは「食べ放題」「飲み放題」というサービスが珍しいからだそうです。「食べ放題」「飲み放題」というと「ビュッフェ形式」が近いかもしれません。しかし、日本ではメニュー内の物がすべて注文できるスタイルの「食べ・飲み放題」が存在します。

 

 外国人の出身国によっては、そのようなサービスのあるお店がなく、珍しいようです。そのため「Tabe-hodai」「Nomi-hodai」という単語は非常に面白いようです。

 

 確かに「好き放題」「言いたい放題」などと使われる「放題」が、「食べる」「飲む」とくっついて「食べ放題」「飲み放題」というようになったのは興味深いです。

 

 そのサービス名を考えた飲食店関係者の方は(誰かは定かではありませんが)非常にことばの感覚が鋭かったのではないかと思います。(嶋)   

2017年

6月

03日

お酒は20歳になったあとで?

 もしお酒の広告に「お酒は20歳になったあとで」と書いてあったら、どうでしょうか。文としての座りが悪いように感じます。

 

 この場合「~たあとで」を使うよりも、「お酒は20歳になってから」のように「~てから」のほうが座りはよくなります。なぜでしょうか。

 

 「~てから」を使った場合、「20歳になったその瞬間からお酒が飲める」ということを言い表せます。つまり時間的な隔たりがないのです。

 

 一方で「~たあとで」を使った場合、「20歳になり、ある一定期間経たのちに、お酒が飲める」という意味合いが出ます。つまり時間的な隔たりが存在するのです。

 

 身の回りにもある日本語にも、使い分けを考えるうえでのヒントは多くあります。(嶋)

2017年

5月

29日

トイレットペーパーのお礼

 留学生が日本での生活における面白いこととして次のような話をしていました。

 

 それはトイレットペーパーのお礼だそうです。

 

 意味がおわかりになるでしょうか。

 

 彼が言うには、トイレットペーパーを使い終わった後に芯の部分に「ありがとうございました」というお礼の文字を見るのが面白いようです。むしろ使用者のほうが「きれいにしてくれてありがとう」とお礼を言うべき場面なのかもしれないですが、トイレットペーパーがお礼を言うのが面白おかしく見えたのでしょう。

 

 我々にとっては日常に溶け込んでいることでも、他の国から来た人から見ると、また新鮮に映るようです。(嶋)

 

2017年

5月

28日

ある街中での出来事

 外国人とのエピソードで、私の友人から次のような話を聞いたことがあります。

 

 前方にいる欧米人と思しき人がかばんの中身を漁っているときに、サイフを落としたそうです。それを見ていた友人は落としたことを伝えようと、学校で習った英語の知識を急いで思い返します。「この場合"fall"を使うんだよな」「いや"drop"のほうがいいか」「とりあえず、最初は"Excuse me"で声をかけよう」そう考え、恐る恐るその人に"Ex..., excuse me"と言いました。すると、その欧米人は流ちょうな日本語で一言「あ、日本語で結構です」

 

 その後は難なくサイフを落としたことを伝えられたそうです。

 

2017年

5月

25日

「ご承知おきください」という表現

 しばしば「ご承知おきください」という表現を耳にします。

 

 しかし「承知」は本来、自分の動作をへりくだって述べる際に使用する謙譲語です。そのため「ご承知おきください」というと、自身は目上の存在で、目下の者に「あらかじめ理解しておいてよ!」と強い命令口調で言っていることになります。

 

 それでは、どういえばよいのでしょうか。

 

***

 

 この場合は「お含みおきください」が適切でしょう。これなら聞き手が命令されているようには受け取らずにすみ、また丁寧さを出すこともできます。

 

 普段耳にする表現の中には、受け手によくない印象を与えるものもあるので、注意が必要です。

2017年

5月

21日

「~けれども」「~が」を使った長い文

 接続助詞「けれども」「が」を使うことによって、終わりが見えない長すぎる文を作ることができます。どういうことか、以下に作例してみます。

 

 例えば会議の席での発言です。

 

「この度、我々が発売しようとしている新商品ですけれども、社内ではいろいろな意見があったのです、先月無事に社長決裁がおりまして、来月から店頭にて販売されるわけなんですけど、1つだけ懸念事項があります。それは……(以下同様に続く)」

 

 いかがでしょうか。会議の場面で社員からこのような発言があるのは現実的にあることだと思います。ただし1文が長すぎます。そして、何が言いたいのか最後まで見えてこないという、もどかしさもあります。

 

 作文やスピーチなどにおいて受け手にわかりやすく伝えるためには"one sentence, one topic"が大原則です。しかし上の例では、接続表現が何度も出てきており、要点がぼやけてしまってます。以下のように文を終わらすことで、受け手にとってわかりやすい文を作ることができます。

 

「この度、我々が発売しようとしている新商品には社内でいろいろな意見がありました。先月無事に社長決裁がおり、来月から店頭にて発売されます。そこで、1つだけ懸念事項があります。それは……」

 

 前者と後者を比べると、後者の文のほうが圧倒的にわかりやすいです。これは、適度に文章が切られていて、"one sentence, one topic"の原則が守られているからです。

 

 作文においても発話においても、わかりやすく伝える工夫をしたいものです。(嶋)

2017年

5月

19日

アルファベットの略字

 日本語にはKYやUZなどアルファベットの略字が多くあります。

これらに加え、KMやMJKなどもあるのですが、意味はお分かりになりますか。

 

①KYは、K(空気)Y(読めない)のこと、

②UZはU(う)Z(ざい)

③KMは、K(き)M(もい)

④MJKは、M(ま)J(じ)K(か)だそうです。

 

 本当に使われているのかと疑ってしまいますが、インターネットで検索してみると、実際に使われていることがわかります。

 

 英語で考えてみても、BTWがBy The Way(ところで)となり、ASAPはAs Soon As Possible(至急)の意味で使われています。

 

 そう考えてみると、略語というのが生まれるのは自然な流れなのかもしれません。(嶋)

2017年

5月

18日

「お座りください」という敬語表現

 相手に着席を促す「お座りください」という表現をビジネスのシーンでよく聞きます。

 

 この「お座りください」という表現、人によっては悪印象を与える場合があるのです。

 

 というのは「お座りください」の「お座り」がペットや目下のものに対して使われる命令と結びつく可能性があるからです。

 

 ではどう言えばよいか。

 

 


 単純に「お掛けください」を使えばよいのです。

 

 日本語教育でも機械的に「お食べください」「お飲みください」などと練習するのではなく、「お座りください」はどのような印象を与えることがあるのか、なぜ「お掛けください」のほうが望ましいのか、という説明があったほうがよいでしょう。(嶋)

2017年

5月

17日

挨拶表現の語源

 今回は挨拶表現の語源を紹介します。紹介するのは以下の3つです。

①ありがとう、②おはようございます、③さようなら

 いくつご存知ですか。少し考えてみてください。

 

 

*****

 

 

では、以下に答えを紹介していきます。

 

①ありがとう

 これは多くの方が予想ついたのではないかと思います。もともとは「有り難し」、すなわち「めったにない(感謝すべき)こと」から転じて「ありがとう」になったそうです。

 

②おはようございます

 こちらは「お早うございます」、現代語訳でいうと「お早いお目覚めですね」が語源だと言われています。この「早い」がウ音便化しているところがポイントです。

 

③さようなら

 最後の「さようなら」の語源を知っている方はどの程度いらっしゃったでしょうか。これはもともと「左様ならば、お暇申す」でした。つまり現代風に言えば「それでは失礼します」になります。この「それでは」の部分が「さようなら」となっています。「じゃあね」などはいまだに別れの挨拶としても使われていますが、共存しているという意味では大変興味深いです。

 

 このように何気なく普段使っている挨拶表現の語源を知るというのも面白いものです。(嶋)

 

2017年

5月

16日

話を切り出す際の「でも」

 最近、話を切り出す際に「でも」を使うのをよく耳にします。これはなぜでしょうか。

 

 例えば、友達と待ち合わせをしていて会った際「おはよう。でも、本当に今日、天気悪くなくてよかったよね。」といった具合です。

 

 前の文の逆説になっていないにもかかわらず、「でも」が使われています。ここで考えられるのは、以下のようなことです。

 

①「でも」を使うことで、友人間で「天気が悪くなる」という認識を共有しているようにできる。

 

②「おはよう」の後に「でも」を使うことで、「私が会話のターンを引き続き保持しますよ」というサインを出せる。

 

 これらの効果があるのではないかと思います。「でも」が使われる場面は他にもいろいろあります。「でも」以外にも一時期流行った「逆に」なども反対のことを言っていないにもかかわらず使われる例は多いです。

 

 このような日常会話の不思議を意識してみても面白いでしょう。

2017年

5月

13日

文章を書くということ

『英語教育2017年6月号』
『英語教育2017年6月号』

 『英語教育2017年6月号』の連載では日英両言語におけるアスペクトについて執筆しました。

 

 実は大修館書店さんが刊行している『英語教育』にて4月号から連載記事を執筆しています。本連載では、英語を母語とする日本語学習者の誤用例を挙げて、なぜそのような言い方をするのか、日本語教育ではどのように指導するのかを、本誌の読者である英語教育関係者向けに紹介していきます。

 

 もともとこれは編集者さんからのオファーだったのですが、面白そうな企画だったので、「ぜひ書かせてください」とオファーを受け、トントン拍子で企画は進行し今に至るというわけです。

 

 連載を担当していて感じるのは、本当に執筆は楽しいということ。そしてアウトプットするためには、それ以上のインプットをどれほど日ごろ意識できるかということ。

 

 書く内容が決まれば、考えたことをまずはPCの前でタイピングします。そして数日寝かしたあとに、推敲作業に入ります。この推敲作業が本当に一番の醍醐味です。どのように書けば、読み応えがあり、読みやすい文章になるのか、じっくり時間をかけます。最後に記事が固まれば編集者さんに原稿を送ります。

 

 ある出版関係者によれば、「人は同じ仕事を3-5年していれば、絶対他人に伝えられるコンテンツがある」とのこと。その”棚卸”の作業をするかどうかだけの差なのだそうです。

 

 皆さんも文章を書く作業を通して、棚卸をしてみませんか。(嶋)

2017年

5月

10日

どうして形容詞の「い」を言わないの?

 「寒っ!」「熱っ!」などの言い方では最後の「い」を言いません。これはなぜでしょうか。

 

 20世紀後半ごろから語尾に「っ!」をつけたこのような表現が広まったと言われています。

 

 では、なぜこれは20世紀後半からなのかというと、実はテレビのお笑い芸人がリアクションを取る際「熱っ!」などと言ったほうが、視聴者により「熱さ」が伝えられると考えたからだという説もあるようです。形容詞の語尾の「い」を言わない言い方はこれ以外にも「高っ!」「安っ!」「小さっ!」などさまざまなバリエーションがあります。

 

 テレビの普及に伴い、さまざまな日本語が広がった一例だといえるでしょう。(嶋)

2017年

5月

07日

魔法の日本語7つ

 このブログでは、管理人の高嶋幸太が考えたことや思ったこと、日々の出来事をつれづれなくつづっていきます。

 

 さて、初回のテーマは日本語を母語とする人と簡単に相づちが打てる「魔法の日本語」7つをご紹介します。

 

 私の日本語の授業では、初級のレベルでも雑談の時に、外国人学習者にこの7語を教えています。それは以下のものです。

 

①ウソ

②マジ

③ヤバイ

④ぶっちゃけ

⑤ウザイ

⑥スゴイ

⑦カワイイ

 

 この7語です。日本語話者は人とコミュニケーションをする際、これらを使っていることが多いです。言い換えれば、これらを覚えておけば、会話の相槌が概ね理解できるということです。ただし、使われていることばは、大学生などには抵抗がないものかもしれませんが、年配の方にとっては首をかしげたくなるような表現も含まれるので、説明する際はその点も十分に伝える必要があるでしょう。

 

 日本語を母語とする人は、これら7語を日ごろどれほど使っているでしょうか。語彙不足にならないためにも、これらのことば以外の相づちを意識してみてもよいかと思います。

(嶋)